大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(ラ)429号 決定

抗告人は昭和三十二年三月十三日頃現住所である水戸市酒門町五百三十三番地に転居したものであるが、約千メートル離れた同町千二百五十八番地に吉田本介というものが居住し、呼称上抗告人と紛らわしいため、抗告人宛の電報と郵便が各一回右本介方に誤配された事実があることを認めることができる。しかしながら、右吉田本介は正式には「ホンスケ」と呼ぶのであつて、抗告人と呼び名を異にし、またその文字も異るもので、前記の電報と郵便物の誤配は抗告人の転居間もない頃の一時的な事故で、将来そう度々起るものとは考えられないことは、前掲の家庭裁判所調査官の報告書の記載により明らかであるのみならず、右報告書の記載によれば、抗告人は元助という本名が悪いというので、親族の者から、龍司(本件において変更を求めている新たな名)とつけて貰つたものであることが認められるのであつて、このことからすれば、抗告人は姓名判断の類から本件の名の変更許可の審判を求めていることが窺えないわけでもない。要するに、本件においては抗告人がその名を変更するについて正当の理由があるものとは認められない。

(浜田 仁井田 伊藤)

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